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ペンタトニックいろいろ


ペンタトニックスケールという音階があります。これは5つの音からできている音階。 (ペンタは「5」という意味。例えば五角形は英語でペンタゴンといいます。)

ピアノの鍵盤をドから1オクターブ上のドまで見ていくと、「ドレミファソラシ」と白い鍵盤が7つあります。その間には黒い鍵盤が5つあります。その黒い鍵盤5つだけを弾くとペントニックになっています。

黒い鍵盤だけを弾くと、なんとなく懐かしいような物悲しいような響きがするかもしれません。ペンタトニックは世界各国の民族音楽でよく使われていて、日本の民謡などでもペントニックはよく使われます。

ドレミファソラシのような普通の長音階から4番目と7番目を抜いてもペンタトニックになります(ドレミソラ)。これをヨナ抜き音階という事もあります。ヨナというのはヨンとナナの頭文字ですね。

音程の事が分かる方は、完全5度を積み重ねてもペンタトニックを作ることができます(たとえば、ド→ソ→レ→ラ→ミ)。

ペンタトニックの特徴の一つは、順番に弾いた時に半音がないことです。 一方、普通の長音階(ドレミファソラシなど)には半音があります。3番目と4番目の間(ミとファの間)、7番目と8番目の間(シとドの間)は半音です。 ペンタトニックの場合はヨナ抜きで4番目と7番目の音を抜くので、半音が無くなるというわけです。

ペンタトニックはブルース・ロック・ジャズにおいても非常に重要な音階です。クラシックもドボルザークやドビュッシーなどによく出てきます。ポップスでもたくさん使われます。

世にある音楽は長音階(ドレミファソラシ)の7つの音をもとにしているものが非常に多いですが、そこから何か音を加えるのではなくて、2つ使わない音があることで雰囲気が変わるのが面白いですね。

もっとも民族音楽においてよく使われていることからも分かるように、歴史的にはもともとペンタトニックが古くて長音階が新しいと思われます。音楽の歴史を見ていくと使う音の種類が増えていくことが多いのですが、音の種類が増えていくと音と音の隙間が狭くなっていきます。音と音の隙間が狭くなると緊張感が増していきます。ドレミファソラシよりもペンタトニックの方がおおらかな音階という事もできるかもしれません。おおらかなだけに、いろいろな種類の響きの中で使うことも出来ます。複雑な音楽の上で使うと相性が良い時もあります。


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